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「電話でないって、河野が心配してたぞ」
河野はわたしとよく遊ぶ友人だった。女だけど。
河野が心配してんのはわかったけどあんたはどうなんだよ、って言いたくなる。
「わかった。あとでかけとく」
「……」
何か言えよ。
心配した、とか。
一言でもないわけ。なんで会社やめたの、とか。
そんなに嫌いになってたのかよ、わたしのこと。
「俺が出て行くっつったじゃん」
イライラを抑えている声だってわかった。
別れることになっている。彼の中で別れるのは確定らしい。
そうか、キレないのは最後だから最後くらいは綺麗に別れようとかそういう。
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