Il mio tesoro

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 この部屋は、二人で住むからといって探した物件だった。  疲れたような声。別れない? リフレイン。  なんでそんなこと言われなきゃいけないの。言うならわたしからいいたかったのに。  っていうかしんどいのなんてこっちもだし。  っていうか身ごもってる分絶対わたしの方がしんどいし。  あんたが言ってること全部そのままひっくり返してこっちから言ってやれるし。  っていうか、そろそろってなに。  前から思ってたんだ?  じゃあ言えばいいのに。  言えばごめんって言ってくれるかもしれないのに。 「考えといて」  吐き捨てて背中を向けた良哉。  もうやだ、もう無理。なんでわたしこんな悩んでんの?  こんな男の子供なんていらないじゃん。おろしちゃえばいいのに。  なんでこんな男とこんな男の避妊ミスでできた子供のことでこんなわたしが苦しまなきゃいけないわけ。  やってらんない、ホント。
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