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7月の終わり、緑も深くなり、長袖で過ごす人ほとんどいない。
「じゃあ、またね」
「はい。いつもありがとうございます」
ぺこ、と綺麗に腰を折る弟の恋人、千秋ちゃん。サラ、と髪が揺れる。
手を振ると、僅かに微笑んで手を振って背中を向けて帰っていく。
今日はピッタリとした服を着ているからか、体のラインは美しくて綺麗。
手足はモデルみたいに長くてしなやか。
っていうか。
最近また綺麗になったな、彼女。思わず、ふぅ、と溜息がでた。
元々出会ったときから綺麗な子だなぁとは思っていた。
若い子特有のみずみずしさと、トゲのような危険さがにじみでるポーカーフェイス。
艶やかとまではいかないものの、それに順ずる何かがあった。
入院中はそれが一気にあどけなく子供がえりしたような感じで、綺麗だけど可愛らしい妖精のようだった。
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