Prologue

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バスには出流高校の生徒らしき学生が数人乗っていた。 弘がこの路線に乗らないのは知っていたので、人探しなんてせずに吊革を掴む。 バスが発車してからすぐに、隣に立っている女子がチラチラとこっちを見ているのが視界の隅に入った。 それだけで俺の虫の居所は悪くなる。 昨日のこともあって気が立っていたのだろうか。 無視し続けてもやむ気配がないので、耐えかねて俺は視線の方を向いた。 文句の一言でも言ってやろうかと思ったが、逆に俺はそう思ったことを後悔した。
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