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予鈴五分前くらいになって、誰かが後ろから俺に近づいてくる気配を感じた。
さっき見渡した限りでは知人はいなかったと思うが、見落としでもしていたか。
どちらにせよ別段気にする必要もないと思った直後、気配の主の影が俺に重なった。
それに気づいて振り返る間もなく、俺はそいつに抱きつかれた。
「明斗っ!」
「うわっ!?」
「よかったーまた同じクラスだってよ俺ら!」
今、俺にベッタリなこの男は永沢弘(ながさわ ひろむ)、中学からの腐れ縁だ。
今俺が受けている恥辱はこの男の癖みたいなもので、不本意ながら俺も慣れてしまった。
俺はともかく弘はモテるので、この状況はすでにクラスの注目の的になっている。
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