赤の話

7/8
前へ
/12ページ
次へ
      心を落ち着かせると 自然と涙は収まった その間 女は静かに彼の傍にいた 蛇という妖怪を労るかのように そしてゆっくり口を開いた 「行く場所がないなら  私と来ないか?」 「……… (何故私なんかと…私は……)」 「私は…人間を殺した、か?  それとも  妖怪の私は人間の私と  一緒にいる資格はない?  いや、少し違うか」 彼の考えていることを あっさりと言いあて それを何事でもないように 笑い飛ばしていた (なんなんだこの人…)
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加