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「私の名前はサラ・ホノリフィーです。以後よろしくお願いします」
「あ、あぁ」
突然、私に顔を向けたかと思えば、挨拶を繰り出した。お辞儀姿は完整されていて、年代特有のあどけなさが見えない。下げられた水色もまた、彼女のカラーに叶っている気がした。
焦って生返事になってしまったことを脳内に反芻しながら、落ち着きを取り戻して、今度はしっかり返す。
「私はディーン・イグニ。ディーと呼んでくれ」
「俺はアイルな。アイル・トーン。髪の毛がライトパープルやから、逆にここでは目立つやろうけど、よろしくな」
「あ、ウチはティート・ファルバランね」
「このクラスにライトパープルで入るなんて、相当賢いのですね」
「だよね。ウチもびっくりしたよ。ライトパープルじゃ、ここに来るのも難しいってママが言ってたもん」
ライトパープルとは、単なる明るい紫だが、エーヴェテでは標準の髪色である。特にそのカラーは潜在能力が低いと、魔法科学研究者に証明されている。著者がライトパープルでは無かったからだろうけど、本当は特別色の潜在能力が高いだけに違いない。
なのに、文献を見た時、私は頭を確認して、ホッとしてしまったことは遠い昔の話。
自己紹介も含め、4人で談話してたところ、椅子は埋まり、教師であろう方も教卓の前にやって来た。
赤と白のチェックが描かれた薄い上着に、青いジーンズ。とてもカジュアルな服装でまとめている。銀色に光り、ところどころはねているのは、本人独特のヘアースタイルであろうか? 顔に細長い傷が浮き上がっていて、さらに目の鋭さは、それとなく強者を感じさせる。
「ここはAクラス。判っているな? 今日はガイダンスだ。学園の仕組みをしっかり理解すること」
そう言って、彼は、見かけによらず、達筆な横文字で自分の名前を黒板に書き始めた。
「先生の名前はサーナル・アダムズ。良いかサーナル・アダムズだ。サーナル先生、さぁ、復唱しろ」
「サーナル先生」
「声が小さい。もう一回だ!」
「サーナル先生!」
「よし、良い子達だ。存分に学園を楽しみたまえ」
ユニークな発言センスは、高身分の子供にも好評らしい。あるいは、純粋に聞いてるのだろうか。
サーナルの弁通り、楽しくなりそうだ。
――チャラララーン
不思議と心に響くチャイムを耳に、いざ、幕開け!
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