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学園というのは、魔学と剣学を中心に様々なモノを学習する場所で。数多く設立されていて、ひとつひとつの質は断然異なる。
持ち前の力を活かして、最高レベルを受験し、無事合格して今に至る。
「明日の入学式、楽しみなのね」
「うん、楽しみ!」
――母ことスペリ・イグニは、妙な語尾を用いる。なにやら、イグニ家の女性が嗜むとか。他家もそういった個性的な訓が存するみたいで。この世界に常識は通じない。
……ちなみにイグニ家の男性は、主語が“わたくし”。
ところで、子を持つ親も休みのはずであるが、父は忙しいらしく、家にいない。詳しくは聞いてないが、討伐系はその日に済ませるべきだとか。
そう、魔物も共存する。この世界――正式名称はエーアヴェルムンワーテラー、やたら長ったらしい名前なのでよくエーヴェテと略されるけど――では多種に渡って重きが置かれている。
その一部が魔物。
家の書庫を漁ったからこそ知っているけど、人間のラミアスがエーヴェテを支配したから今はヒトが繁栄しているらしい。その前はエルフで、まだまだ過去は辿れる。
とにかく魔物が支配すれば、栄える種族も変わるという事実に沿って、殺生が関連するわけだ。別段、魔物と人間が敵対関係にあるわけではない。
閑話休題。
入学式は朝早いのだからそろそろ睡眠へと旅立とうかと思う。制服も準備してあるし、カバンも用意した。それに、ほら、聞こえてきた。
「そろそろ寝ると良いのね」
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