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――アレ? 気付けば、近くには誰もいなくて、みんな本館に張り付いてる。
あそこは、たしか……、掲示板があったところか? 組分けが公示されたのだろう。
集団をかき分けて、自慢の視力で自分の名を見届けると、瞬きが止まらない。
分類番号301048A
30は創立30年目の生徒。
1は単に1年生。
048は出席番号だったはず。
そして、Aといえば、本来、相当の良家じゃないと入れない上位クラス。いくらなんでも、解けない問題が無かったわけではないし、まして、英才教育を受けるために全力を尽くしてきた貴族に優れているはずがない。
ふと、目の前にいる少年がこっちを向いて言った。
「お前Aクラスじゃないか、やっぱりスゴいな」
ビクッ! なんて擬音がこれほど似合う状況は後にも先にもきっとないだろう。それくらい、狼狽して返事の一つも返せなかったわけだが――
「だな。Bあたりでも行けたらラッキーやと思ってたけど、これはビビったわ」
――逆に幸いした。後ろの男の子、Aクラスに認定された、いわゆる友達に言っていたのだろう。
思い起こせば、私に同世代の知り合いはいない。なんて当たり前のミスをしたんだろうと心の中で毒突きながら、ここを去ろうとした刹那。
「お前も、Aクラスやんな?」
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