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陣の親と梨子の親は家が隣同士ということもあり仲がいい。
陣が一緒に通学することで安心だと梨子の親から太鼓判を押されていた。
「また、誘拐事件あったね?」
いくら陣がついていても不安を隠しきれない梨子に対して、
「大丈夫だ、オレを誘拐しよーなんて奴いないだろうし、そのオレと一緒にいれば問題ないさ!」
梨子は陣の喧嘩の強さは知っていた。しかし、喧嘩によって負う怪我のことを梨子は心配していた。
「柳原ぁぁあああ!!」
突如、歩いている後から怒鳴り声が響く。
怒鳴り声をあげたのは鬼住高校三年生の遠藤和也といつも一緒に行動してる子分二人。
入学したばかりの陣にボコボコにされ、それ以来リベンジを繰り返すがいつもボコボコにされている。
怒声の後の静寂。
陣は後ろ姿のままだが、ただならない気迫を感じる遠藤と子分。
遠藤の頬を冷や汗が流れる。
「いぃ加減にしねぇと、マジで殺すぞ‥‥。」
一緒にいる梨子までも、(そこまで
怒らなくても)と引いた。
「きょ、今日は退散し、してやる!今度会ったら覚えとけよ!」
お決まりの捨て台詞を捨て、遠藤と子分は去っていった。
通学中ではいつものことである。
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