いつもと変わらない日常

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店が近けりゃ、みんなそこに行くわけで。 当然、知人もいるわけで。 「あ、信也」 「おう……中島もいたのか」 さっき言った幼馴染みの一人、中島由里。 少し茶色がかったショートカット。 カバンを肩にかけて、雑誌コーナーにいた。 「やっぱコンビニつったら立ち読みだよなぁ」 孝介は早速ほんのコーナーへ飛んでいった。 俺はガムを見ていた。 「そのガム、めっちゃ味長持ちだよ」 横に中島が立っていた。 「へぇ……買ってみるか」 「コレのほうがおいしいよ」 「うん……」 「おいおい信也!」 さらに横で騒いでる奴がいた。 「……なに?」 一体何だよ…… 「うまい棒30本で315円だってよ!!」 「…まぁ、当たり前じゃない?」 1本10円なんだから。 「……ん?」 俺は少し考えた。そのあいだに中島が横から入った。 「チロルチョコもそうじゃん」 「いや、ちがう」 俺は顎に手を添えながら言った。 「なにが?」 「チロルチョコは一個10円。それを30個買ったら300円」 「ほうほう」 「でも、孝介の持ってるのはまとめて30本で税込315円」 「そうだな」 「っていうことは、まとめるよりバラで買ったほうがお得ってこと?」 「おお!さすが信也!」 「まとめて入れておいたほうがお得感が出るからそれを狙ったのか」 「ま、いいや。コレ買お」 孝介がうまい棒30本入りの袋を抱えた。 「いや、だからね」 「30本もバラ持てねぇよ」 「それもそうだよね」 中島がチロルチョコを3つ持って言った。
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