独白

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僕は、ただの平凡で普通な、どこにでも居る男子高校生だ。 変わらない日常を、ただ機械的に、永遠に繰り返すだけの能無し。 それが僕だった。 勉強は上の中。 これだけで言えば羨む人間も居るかもしれない。 僕は生まれて間もない頃から期待されていた。 理由はごく単純。 僕の両親は、優秀な教師だから。 そして、僕の姉達が彼らの言う、“出来損ない”だからである。 僕には姉が二人居る。 僕は優しい姉達を――因みに、彼女らは二卵性双生児…いわゆる双子だ――少なくとも両親より信頼していた。 しかし、彼女らはそうではなかった。 僕をいつも除け者にして、二人だけの世界を作っていた。 僕は家に居るとき、常に孤独だった。 僕は生まれてこの方一度たりとも、両親に褒められたことがない。 学校のテストで満点を取っても、まるでそれが当たり前であるかのように言われた。 僕にはそれがとても悔しくて、悲しくて。 いつしか僕は返却されたテストをゴミ箱に棄てるようになった。
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