追憶

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「あのね、あたしキミのともだちの…くんのこと好きになっちゃったんだけど、相談に乗ってくれないかな?」 中学二年生の秋。 僕は名前も知らない、ましてや喋ったことさえない少女にそう言われた。 「…………」 無言を肯定と受け取ったのか、少女は不安げな表情から一転し、顔を綻ばせた。 「ありがとう…」 柔らかく微笑んだ彼女は、歪んだ僕にはとてもうつくしく見えた。 .
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