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「と、言う訳だ。」
「うわぁ、その巫女装束にはそんな話しがあったんだねぇ。」
暫永は改めて巫女装束を見つめる。
「かなり大きめに作ってはあったが、流石に袖や袴は短くなってな。その結果こうなったのだ。」
「こんなになるまで着てもらえるなんて、この巫女装束も乙葉様の母上もきっと喜んでるよ。」
そう言って、ふにゃっと微笑む。
「そう思うか?」
「うんっ!
だって、オイラが巫女装束と乙葉様の母上だったら凄く嬉しいよ。」
無邪気に言う暫永に、乙葉は優しく微笑んだ。
「ねぇ、他にもいろんな話ししてよぉ。」
「他にも?
私は今話したばかりだから、次は暫の番だ。」
「えーっ、オイラの番?
何を話したらいいか分からないよぉ。」
「なら、その毛皮の腰巻きの話しをしてくれ。」
「分かったぁ!
えっとねぇ~この毛皮オイラが……………。」
笑顔で語り始めた暫永。
その話しを乙葉は穏やかな表情で聞き入った――…
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