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笛口を唇にあて、そっと息を入れてやれば、音になり、指で穴を塞いでやれば曲になる。
笛を考えた先人は大物だと、いつもおもわされてならない。
それにしても。
自分はいつからこうして毎朝笛を吹くようになったのだろうか。
――今までなら
笛を吹いている間は
あれこれ考えずに
すんだのに……
なかなか邪心が芽生えたものだと、何故だか笑いが込み上げる。
それもそのはず。
こうして自分が寒いにも関わらず、毎朝笛を吹くようになったのは、ある人物が原因であるに違いないのだから。
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