狂いだす歯車

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「蒼生、礼一ちゃんと一緒にいすぎ~」 「そうですよ。蒼生。礼一くんだって自分の仕事をしているだけなんですから」 そんな事言ったって、みんながら礼一に頼みをするからで。 しかも、その心の半分は礼一と話したいからって感じだろ。 「レーチばっか…大変。雑用」 「庶務の仕事はそんな感じです。それに…」 「隣に座れているだけでいいじゃん~」 嫉妬でしょ。 2人とも。 鴇矢はこっちを無言で見ているだけだし。 …礼一、早く帰ってきて。 「…そう言えば、薫」 「なんです?鴇矢」 「明日、転入生が来る。迎えに行け」 「は?……嫌ですよ。自分で行ってください」 書類を渡され薫がそれを見るとピクッと眉を動かし、返却した。 俺を世未は互いに顔を見合わせ、鴇矢の机に集まる。 転入生の書類… 「うっわぁ、何これ。てか、写真にこれって」 「……巣」 もじゃもじゃの髪に大きい眼鏡。 顔が半分しか見えない。 綺麗モノ好きの薫が嫌がるの分かる。 てか、綺麗モノ好きじゃなくてもこれはきついでしょ。 「あれ?皆どうしたの?」 「レーチ」 「礼一君」 「礼一ちゃん!」 「どうしたの?みんなして…びっくりした…」 「おい、庶務。お前明日こいつを…」 まさか、鴇矢。薫が駄目だったからって礼一に行かせる気!? 礼一を行かせたら、またライバルが増える。 「僕が行きます!行けばいいんでしょ!」 バッと薫が書類を取り、自分の席に戻った。 「え?…えっと」 「レーチ、気にしない」 「え…うん」
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