狂いだす歯車

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何か様子のおかしい薫に皆の視線が集まる。 「かおる~どうしたのぉ?」 静寂に耐えられなかったのか未世が聞いた。 うん、気になる所だ。 転入生の道案内なんてして来たら帰ってきた時に文句を言うと思ったのに。 「…いい事がありました」 「いい事ってなんだよ」 「薫、顔緩み過ぎ」 「薫~良い事なんてどうやって起きたの?」 礼一以外の皆が聞く。 だって、学園の中でいい事があるなんて早々無いし。 人気者にされている俺らは特に。 「転入生が良い子だったの?薫君」 世未と俺に抱きつかれながら眼鏡の奥の優しい瞳の笑顔で問いかける。 その言葉に、鴇矢も世未も反応する。 俺は礼一の頬笑みに。 「えぇ、けれどあの子を見つけたのは僕が先です。みなさんは手を出さないでくださいね」 …あれ、薫は礼一の事好きなんじゃないのかな。 変わったのか? 昨日の今日で? 変わるものなのか? 「ほぉ、興味が出てきたな」 会ってみれば分かる? 「レーチ…会ってみる?」 「ん?会えたらね。でも、会いに行こうとは思わないよ」 礼一? なんか今一瞬笑顔が作りものに見えた。  
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