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食堂なんて、礼一が居ないなら行きたくない場所だ。
うるさくて、仕方がないだけの。
でも、世未は俺を離す気はないらしい。
もしかしたら、嫉妬?
礼一の後を追いかけるとでも思っているのだろうか。
そう言えば、薫は何で礼一を邪険にした?
そこまでしてないけど、礼一より好きな子が出来たって事なんだろうけど、態度があからさま過ぎる。
何でだろう。
世未と食堂へ行くと、何かざわざわ騒がしい。
皆、役員用の席を眺め、悲痛な叫びや恨みの声を上げている。
そして、その先の場所はなんだか騒がしい。
「あー!!お前らカッコいいな!俺、菊池大地って言うんだ!お前は!?」
なんだろう。このもじゃもじゃは。
煩いし、汚い。
口の周りにご飯粒を付けて。
礼一と間逆だ。
「俺はぁ、村雨世未っていうの。君面白いねぇ」
「世未か!よろしくな!!なぁ、お前は」
「……高町…」
「名前だよ!友達なんだから名前で呼ぶのは当たり前だろ!!」
頭が痛い。
どうしよう。
でも、しつこそうだし。
「蒼生」
「蒼生だな!」
こんな子を礼一に近寄らせたら、礼一が可愛そうだ。
礼一は優しいから、こんな奴でも近くに置いとく。
世話を焼く。
そんなの嫌だ。
・-・--・-・-・--・-
Side.?
風が吹く屋上に一人の生徒が居た。
黒い髪に眼鏡を掛けた。
彼の顔に笑みなどない。
空を見上げ…ただ、何かを思っている。
「このまま…このままで居られるかな……
" "」
ただ、空を見上げ続けていた。
Side END
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