狂いだす歯車

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Side.蒼生 守らなくちゃ、守らなくちゃ。 礼一は俺にとって、初めての友達で、初めて大事に思える人間。 好きで、好きで、独占したくて、でも、皆に優しい礼一も好きで、 でも、俺以外に構って欲しくない。 礼一の負担にもなる。 守らなくちゃ。 「アオ、…怒ってるの?この前はごめんね」 「……――」 礼一が、俺に話しかけてくる。 この前、転入生とあった日から、俺は礼一と居ない。 いる事が出来ない。 だって、転校生がくるから。 今、気にしていないと言いたかった。 でも、言葉を出すのが遅い俺。 そして、空気を読まない声のせいで言葉に出来ない。 「蒼生!迎えに来たぞ!!一緒に飯食いに行こうぜ!」 「――ん」 「全く蒼生は!無理して言葉出さなくてもいいんだぞ!俺はなんでも分かってやるからな」 うるさい。 うるさくて、しゃべる気も失う。 「アオ……」 「なんだ?!お前!!平凡な顔だな!友達いないだろ!?」 「!?――だい、ち、だめっ」 「友達ならいるから大丈夫だよ」 礼一に話しかけちゃダメ。 礼一もこんな奴、相手にしないで。 「アオ、…言いたい事があるならちゃんと言って」 「っ…!!」 冷たい声。 冷めている声。 礼一がこんな声出すなんて。 「僕は、ちゃんと―――」 「なんでそんなん酷い事言うんだよ!!」 「っ―――!」 「レーチッ!!」   
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