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礼一が大地に突き飛ばされる。
見た目より軽い、礼一はその力の強さに、飛ばされるかのように床に倒れる。
教室のクラスメートがザワリッと騒いだ。
「謝れよっ!蒼生はしゃべれない病気なんだぞっ!!」
違う、違う、違う、違う。
何も分かってない。
何も何も。
それより、礼一が
「アオはしゃべれなくないよ。声もちゃんとでる……」
「レ――」
「無理やり話させようとしてるんじゃねぇよ!!最低だな!!」
違う。
最低じゃない。
俺は、大地と話したくなくて、ただ、それだけで、ただ、まだうまく日本語を使えないから。
「―――最低…?」
「レーチ」
「最低って何?」
「っ?!」
痛みで床に座ったままの礼一は、低い声を出す。
さっきまで、冷たい声はあったけど、けど、まだいつも通りだったのに。
「最低は最低だろ!!」
「だから、最低ってなに?何が、最低?僕は何か悪い事言った?」
「だから、蒼生に無理やり」
「僕は無理やりなんてしてないっ、押しつけてるのは君だろ!?人の事を見た目で判断するんじゃねぇ!!!!」
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