狂いだす歯車

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自分以上に礼一と仲のいい人間に嫉妬した。 嫉妬してきた。 礼一のため、礼一のため、と大地を礼一から遠ざける。 邪魔をする。 大地は思い通りに行かない鴇矢を好きだと言った。 そして、礼一を嫌いと言う。 俺は、鴇矢が嫌いになった。 世未よりも薫よりも誰よりも。 ただの嫉妬だ。 久々にちゃんと生徒会を開いている時間に仕事をしようとして来た。 その時みたのだ。 「お前、最近寝てないだろ?」 「会長こそ。ってなにしてるんですか?」 「俺は平気だっつの、慣れてる。お前は寝不足と食ってねぇのか?細いぞ」 礼一の二の腕を掴んで触れている。 「肉が付かないんですよ」 「もっと食え。それから、仮眠室で寝て来い。命令だ」 「拒否権は」 「あるわけねぇだろ?」 「仕方ないですね」 困ったように笑って、鴇矢に好きなようにさせる礼一。 礼一と鴇矢ってこんなに仲良かったっけ? いや、そんなにしゃべる2人じゃなかった。 「あと、敬語なくしていいぜ?まじめに働く奴は嫌いじゃない。それに媚びないしな」 「ん、そう?じゃあ、鴇矢君って呼ぶね」 いやだ。なんだこれ。何これ。なんなの? 違う。 こんなの望んでいなかった。 俺は頑張ってるのに、頑張って頑張って…… 「レーチ……」 俺は何のために、好きでもない大地のそばにいるの? 馬鹿みたい。 馬鹿らしくなってきた。 俺より仲がいいのは許さない。 「≪戻ろう。礼一のそばに居て守ればいい≫」 礼一と仲が良いままでいたい。  
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