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7
赤路雷に言われた通りに社の残骸を掘り返してみると、そこから一人の少女が発掘された。
少女の髪は青色。
青髪少女こと青龍で間違いないだろう。
今は気絶しているが、いつ目覚めて暴れだすか分からないので、とりあえず身柄を拘束――する道具がないな……
「なあ天音。」
『ん?』
こいつ、何でこんなに冷静なんだ?
先程の恐ろしい発言が嘘のようじゃないか。
「今、この神社に誰か居るか?」
『いや、誰もおらん。先刻、夕飯の食材を買いに出掛けたからな。』
「そうか。」
この神社の神主さんやら巫女さんやらに縄でも借りようかと思ったのだがな……
「桃井、お前縄とか持ってる?」
恐らく持っていないだろう。
寧ろ持っている方がおかしい。
「縄は持ってないかな……リボンならあるけど。」
そう言って、桃井桜子はスカートのポケットから赤いリボンを取り出した。
「リボンか……」
一応腕を縛るくらいの長さはあるが、相手は青龍だ。
案外あっさりと引き千切られてしまうかもしれない。
だが、無いよりはマシだろう。
「そのリボン、借りていいか?」
俺がそう問うと、桃井桜子はコクリと頷いた。
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