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「なるほどな。こんな方法があったとは。」
「長文を制するには長文を学べとはよく言ったものだよ。」
「そんな言葉聞いたことないぞ!?」
「だろうね。私のおじいちゃんの言葉だし。」
「お前のじいちゃん何やってる人!?」
「日本語の学者さん。」
「英語関係ねぇ!!」
可愛い妹の真剣と書いてマジと読む真剣ボケを片っ端から捌いているからか、いつもの癖が出てしまった。
流石にツッコミすぎたか……?
「はは。鬼城君って面白いね。」
良かった、気にしていないようだ。
昔、これで一人の女の子を泣かしてしまったことがある。
あの時は俺も未熟だったし、そもそもあれはツッコミの粋を越えていた。
俺のせいなのかは分からないが、彼女はどこかに転校してしまった。
もう一度彼女に会いたい。
会って、一言謝罪したい。
……今考えることではなかったな。
彼女には悪いが、今は桃井桜子との会話を楽しませてもらおう。
「では私からも一つ。鬼城君の後ろにいる彼女はどちら様かな?」
「……は?」
ちょっと待っていきなり訳分かんない話来ましたよ?
私からも一つということは、冗談……なんだよな?
俺はそうあってほしいと願いながら桃井桜子の顔を見つめる。
……むっちゃ真顔なんですがっ!!
もしかしてマジなのか……?
真剣と書いてマジなのか?
とりあえず本人に聞いてみないと分からないよな。
俺は事の真意を桃井桜子に聞いてみる事にした。
「冗談……だよな?マジじゃないよな?」
「……マジだよ。」
マジだったよ!!
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