プロローグ

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「高橋君」 「…はい」 二年生の始業式のホームルーム。 出席番号順に並んだ席で、 私の後ろで私の次に呼ばれた彼の声を聞いて、 何の気なしに私は、 ―――――――――――良い声。 なんて思った。 私が彼を知ったのはこの時が初めてで、 特に気になるわけでもなかったので振り返って顔を見ようとは思わず、 後ろの席の良い声の人、 とだけ頭にインプットされた。 彼は私にとってその程度の印象しかなかった。
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