学校

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「高木さん」 「はい」 「高橋君」 「はい」 朝の出席確認。 今日が始まる感じがしてなんだか憂鬱。 私は学校があまり好きじゃない。 それでも毎日学校に行くのは内申書のため。 友達と会うためとか、そんな理由じゃない。 授業に遅れるのは困るし。 家にいても親が心配して困るだろうし。 何をしたいか決まってるわけじゃないけど、とりあえず将来のために高校は普通に卒業したい。 だから学校に通う。 「文乃ってさ~、学校楽しい?」 「え?」 昼休み。 パンをかじりながらクラスで唯一の友達、真希ちゃんは唐突にそう言った。 「いや、退屈って顔してるからさ~」 「…」 彼女は本当によく人を見てると思う。
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