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「じゃあ今日はここまで」
チャイムが鳴り授業が終わる。
素早くノートを片しながら私はため息をついた。
「ハルー!」
後ろの席の彼をそう呼びながらわらわらと男子が集まってくる。
これが目下の私の悩み。
私は席を立って真希ちゃんの席のところへ行った。
「何、また後ろが騒がしいの?」
「…うん」
一学期が始まって1ヶ月が経った。
後ろの席の彼、高橋春樹君はクラスの所謂人気者らしい。
彼自身は五月蝿くないのだが周りに集まってくる男子が騒々しい。
最近の私はその雰囲気に居たたまれなくなって、休み時間の度に席を離れる。
「まぁ高橋はいいやつだしねぇ。なんてゆーか老若男女問わずにモテるやつだわ」
「…らしいね」
私自身はまだ顔もうろ覚えなくらい彼に興味はないのだが、後ろの席なので嫌と言うくらい思い知った。
正直、彼には悪いが早く席替えしたい。
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