逝って見よう

3/5
8994人が本棚に入れています
本棚に追加
/379ページ
現場から少し離れた橋の下にたどり着きすぐに携帯を取り出し依頼主に仕事の終わりを知らせるメールを送る。 そして返信のメールが来るまで携帯を石の上に置いておく。 この時点で分かるかもしれないが職業と言うのは殺し屋だ。 返信メールを待つ少しの時間で証拠隠滅を始める。 まずは血で汚れてしまった洋服を脱ぎ、燃やして灰を川に流す。 使ったナイフは手頃な石で砕いて土に混ぜたり川に流す。 あらかた証拠隠滅が終わった時岩に置いてある携帯が緑色の光でメールの受信を知らせる。 無言のまま携帯が置いてある石に近づき携帯を手に取りメールの内容を確認する。 そこにはただ一文で了解したという文字だけが書かれていた。 その文字を見てすぐに口座番号を確認する。 そこで初めてお金が送金されているのを確認して最後の証拠隠滅に入る。 携帯の電源を落としデータの入っている部分、機種によって違うがこの携帯は右下の部分だ。 その部分に向かって尖っている石を叩きつけて穴が開ける事でデータを破壊する。 携帯を土に埋め上から土、砂利、小石、石の順番でまるで普通の河原のように見せる。 そこでようやく仕事が終わりだ。 「終わったー」 両腕を大きく広げ、背筋も伸ばし体全体を使い仕事が終わったことへの喜びを自分自身に伝える。 人を殺して喜んでるいるがこれが俺に取っての普通であり当たり前だ。 「さて、さっさと帰るとしますかね」 そう言葉にして地面を蹴って走りだす。 「自分でも思うが俺の身体能力は常識を逸しているよな」 現在は自宅の前だ。 さっきの場所からは群馬と東京ぐらいの距離があるが、ここまでかかった時間はおよそ10分くらいだろう。
/379ページ

最初のコメントを投稿しよう!