逝って見よう

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「だが、しかし!!」 即座に横に転がる事で包丁を華麗に回避する。 自分の反応速度と回避のうまさに誰も居ない癖にどや顔をキメる。 そんなバカな事をしながらさっき俺が倒れた場所に目を向けて見ると驚く事が起きていた。 「え?なんであの包丁床貫いて持ち手しか見えてないの」 そう、包丁はまるで豆腐を切る・・・いや、刺すように綺麗に床に突き刺さり、異常なまでの切れ味を発揮していた。 驚きすぎて変な関西弁が出てきたが俺の顔のほうもかなり変な顔をしているだろう。 そしてその近くでラーメンが見るのも可哀想なくらいにぐちゃぐちゃになって床に落ちている。 でもそんな事よりも先に考えなければいけない事があるのでその場に座り込む。 可笑しくないか?さっきまで普通のネギ切ってたただの包丁だったはずだ。 床を貫く切れ味ならねぎを切っていた時に気がつくはずだ。 行き成り包丁の切れ味が上がるなんて事は常識的にも現実的にもありえない。 よく考えろ、ネギを切った後、転ぶ時、それ以外の時包丁に何か変化はなかったか。 そうやって記憶の糸を手繰っていると、途中で可笑しい事に気がついた。 それを確認するためにさっき転んだ場所に目をやる。 そこには何もなかった。 何かに引っかかったはずなのに何もだ。 それに包丁にぶつかって降ってくる所は記憶にあるのに包丁が宙を舞う記憶が全く無い。 なんとか思い出そうと必死に頭の中を捻り出す。 だがその思考はすぐに中断される事になった。 トンッ 行き成り体を後ろから押されたように前のめり気味になり、体の内側に違和感を感じる。 体は暖かいのに一部分だけ凄く冷たい物があるような感触だ。 その正体を見るために自分の胸辺りに視線を動かす。 そこに見たものは自分を貫いているシンプルな槍だった。 俺の体は胸を貫かれたりするぐらだったら治るはずだがこの時は何故か治らないと自分の中で確信していた。 色々やりたいことあったのになー・・ せめて積み本だけは読み終わりたかった・・・ そして目の前が暗くなり・・ 俺は地球での人生を終えた。
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