記憶

2/22
前へ
/22ページ
次へ
僕は小学生の時から父親がいないというだけで虐められていた。 聞いてよ、小学校の頃のあだ名がウジ虫だったんだ笑えるね… 本当だよ! もう虐められたくない…毎日泣いてばかりの生活はこりごりなんだ。 目映い光に肩を押された気がした。 どうやら公園で寝ていたみたい。 あ! もう日が暮れちゃうよ!ヤバイヤバイ! またお母さんに叱られる。帰るのが遅くなったこと、心配してくれてるのかな?またカッターで叱られるのかな? 不安で胸が一杯になった。 「ズキン、ズキン」 お母さんの事を思い出しただけで、背中の傷跡が痛む。 左手に着けている、ポリスの時計の時間を見ると8時を指していた。 あ、ポリスの時計は僕だけの宝物なんだ。 亡くなったお父ちゃんの形見なんだけどね。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加