第一話 姫と教育係

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「それは・・・」 制裁用の棍棒を持っていた正当理由など言えるはずも無く、マリベーラは観念したように俯いた。 「さて、貴方の処分ですが・・・」 ルッツはちらりと横目でルイディアナを見る。 「姫様はどうされたいですか?」 「え・・・」 「姫様自身で、彼女の処分を決めて下さい」 「私は・・・」 ルイディアナはマリベーラの顔色を伺うように見る。 しかしマリベーラは憮然とした表情でルイディアナから顔をそらした。 「”二度と体罰は加えない” と約束して下されば、このまま礼儀作法の教師としてお願いしたいです」 「・・・正気ですか姫様?」 「ええ」 キッパリと頷く姫の言葉に、ルッツは呆れたように溜息をついた。 「お人よしと言うか、考えがたりないと言うか・・・まあ、答えは彼女に聞いてみましょう。 姫様はこう申しておりますが、どうされますかマリベーラ殿?」 「人をおちょくるのもいい加減にして頂きたいですわね」 怒りを抑えた声でマリベーラは吐き捨てる。
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