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「それは・・・」
制裁用の棍棒を持っていた正当理由など言えるはずも無く、マリベーラは観念したように俯いた。
「さて、貴方の処分ですが・・・」
ルッツはちらりと横目でルイディアナを見る。
「姫様はどうされたいですか?」
「え・・・」
「姫様自身で、彼女の処分を決めて下さい」
「私は・・・」
ルイディアナはマリベーラの顔色を伺うように見る。
しかしマリベーラは憮然とした表情でルイディアナから顔をそらした。
「”二度と体罰は加えない”
と約束して下されば、このまま礼儀作法の教師としてお願いしたいです」
「・・・正気ですか姫様?」
「ええ」
キッパリと頷く姫の言葉に、ルッツは呆れたように溜息をついた。
「お人よしと言うか、考えがたりないと言うか・・・まあ、答えは彼女に聞いてみましょう。
姫様はこう申しておりますが、どうされますかマリベーラ殿?」
「人をおちょくるのもいい加減にして頂きたいですわね」
怒りを抑えた声でマリベーラは吐き捨てる。
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