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むかしむかし あるところに
それはそれは可愛らしい
お姫様がおりました
・・・中略。
そして幸せに暮らしましたとさ
めでたし めでたし
「あー面白かった」
とある国の姫ルイディアナは、読み終わった子供向けの絵本を
ぽんっとベットの上に投げ出し、ごろんとベットに横になった。
「姫様、休憩時間はとっっっくに終わっていますよ。
そしてはしたないです」
仰向けに横になり、両手を広げてベットに寝ている姫に、
教育係であるルッツは声をかける。
左手は寝室の扉を開いた状態でおさえ、右手には分厚い本を肩にのせるように持っていた。
この教育係であるルッツは物腰が柔らかく、そして女性と身がまうほどの綺麗な顔立ちだが、
彼をよく知る知人達はこぞって「恐ろしい人物」と称していた。
「むー・・・」
物語の中に浸っていたルイディアナは、ふくれっ面をしながら起き上った。
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