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「て事で、姫さん。
明日はヒマだな?
朝迎えに行くから何もせず待ってろ」
「え?」
「ちょっと待って下さい。どこに連れて行く気ですか?」
戸惑うルイディアナのかわりに、ルッツが慌てて尋ねる。
「いったろ、姫さんには心の治療も必要だ。
そんな危ない場所には連れていかないから安心しろ。
ちょっと、息抜きに行くだけだ。息抜きに」
ザックスはとてもただの息抜きに誘っているとは思えないほどの、悪戯な笑顔で笑っていた。
「私も同行します」
「無粋な事言うなよルッツ。
俺と姫さんの逢引きの邪魔をする気か?」
「逢引きとか不愉快な言葉を使わないで下さい。
姫様、嫌なら嫌と断った方が良いと思います」
「んな事言ったら、姫さんが不安な顔するだろーが。
冗談だよ、冗談!
姫さん、楽しいとこ連れてってやるから、大人しく待ってな」
「うん!ありがとうザックス!」
ザックスは口は悪いが、人として道を外す事は絶対にしない性格であるのを知っているルイディアナは、快くその誘いに頷いた。
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