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戻ってきたルイディアナの格好は、さっきまでレオナの着ていた服に、レオナのような黒髪の造毛をかぶっていた。
反対にレオナは、さっきまでルイディアナが着ていたドレスに、ルイディアナのような金髪でふわふわの造毛をかぶっていた。
「レオナはここに残って、姫さんのフリしてルッツ以外の訪問者を誤魔化す事。
で、姫さんは俺とお忍び外出」
そう言って満足そうに頷くザックス。
「・・・変な所へは連れていかないと約束しましたよね?」
「勿論。安心しろって、ヤバい所にはいかねーよ」
心配そうな顔のルッツと正反対に、ルイディアナは期待で瞳をキラキラと輝かせていた。
「ね、もしかして街に連れてってくれるの!?」
「あー・・・いや、流石の俺も勝手に城外には連れていけねーんだ、悪い」
期待の目に答えられず、気まずそうに顎に生えた無精ひげを撫でるザックス。
そして目に見えるほど、落ち込むルイディアナ。
「や!でも、城内でも姫さんが今まで入れなかった場所あるだろ?そこに今日は連れていくから、楽しみにしてろって!な?」
体をかがめて、ルイディアナと同じ目線になって語りかけるザックス。
「うん!」
そして、その言葉ですぐ元気になる純粋なお姫様ルイディアナ。
「じゃあ、行ってくるなー。
ルッツ、もしバレそうになったらなんとかしてやってくれー」
そう言い残してザックスはルイディアナとともに部屋を出ていった。
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