第二話 姫と専属医

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演劇が終わり幕が閉じた瞬間 観客席から盛大な拍手が送られた。 ルイディアナも幼子に戻ったかのように、夢中で両手を何度も叩いた。 その拍手の嵐に答えるかのように、劇に参加した役者達が幕の外側に現れ一斉にお辞儀をする。 そして再び観客席から拍手が送られた。 「こんなに楽しかったのは久しぶり!」 役者達が舞台裏に戻った後も、ルイディアナの興奮は覚めずイキイキと劇の感想をザックスに話しかける。 それをザックスは満足そうに笑いながら相槌を打っていた。 「話も演技も円舞も全部良かった! でも特に第三王女役の人が槍で華麗に戦う姿が凄く格好良くて! 美人で女性らしい方なのにあの時だけは、どの男性よりも格好良く見えたの!」 「そんなに気に入ったなら、会ってみるか?」 今まで頷いていただけのザックスが、予想外の返事をくれた事にルイディアナは驚き身振りで説明していた手をとめた。
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