第二話 姫と専属医

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「ザックスが会いに来てるって、レイのやつに伝えてくれ。 そうすりゃあ関係者だってわかる」 そう言われ、用心棒は怪しげにザックスを見ながらもしぶしぶ内側の扉を開けて中にいる見習いに伝言を伝えるように指示する。 そしてしばらくして伝言を伝え終わった見習いが、今度は用心棒に伝言を伝えた。 「・・・入れ」 ザックス達に聞こえるように大きく舌打ちしながらも用心棒は伝言通りに、ザックス達を中へと通した。 「よ!レイ久しぶり!」 控え室の奥へと進むと、鏡付の化粧台の前に色気のある綺麗な第三王女役の役者が先程の衣装のまま座っていた。 「何の用?」 ザックスにレイと呼ばれた人物は、鏡の方を向いたまま化粧を直している。 「つめてーなぁ、相変わらず。恩人に対してその態度は無いんじゃねーの?」 肩をすくめるザックスに、レイは大袈裟にため息をつきながら振り向く。 「本当にザックスは恩着せがましいね。 で、用があるのはそちらのお嬢ちゃん?」
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