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「待ちな、お嬢ちゃん」
レイは去ろうとするルイディアナの背に声をかける。
「上流階級の人間がこうも簡単に頭下げるなんてね」
鏡越しにルイディアナの動作、表情を観察していたレイは始めて笑顔をルイディアナに見せた。
「それも理由もわからずにただ頭を下げただけと思いきや、ちゃんと理由もわかってるじゃないか。
上流階級の人間なんて糞ばかりかと思ってたけど、アンタみたいなのもいるんだね。
気に入った」
レイは立ち上がると、自分よりもずっと背の低いルイディアナに手を差し出した。
「・・・え?」
「手を出されたら普通握手だろ?」
レイは笑いながらルイディアナの小さな手をとり勝手に握手した。
「これでアンタは私のダチだいつでも会いに来な」
「あ・・・ありがとう」
びっくりしながらもルイディアナはお礼を言う。
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