第三話 姫と皇太子

2/16
前へ
/94ページ
次へ
「ただいま」 ザックスとともに自室へと戻ってきたルイディアナは、扉が閉まるのを確認すると椅子に腰掛けて入口を監視していたルッツに声をかける。 「姫様!」 ルッツはルイディアナの顔を見て、ほっと安心のため息をつく。 「レオナありがとな」 ザックスは姫の身代わりになっていたレオナに声をかける。 それに対してレオナは無言で頭を軽く下げると、着替え直す為に奥の部屋へと移動する。 それを見てルイディアナも慌ててその後に続いた。 「で、なんかあったか?」 2人が着替えている間にザックスはルッツに尋ねる。 「まあ色々と。」 「色々?」 「騎士長が説明を求めに来たり、殿下がお見舞に来たのを追い返したりと」 「・・・そりゃまた・・・すまねぇな」 ザックスは頭をかきながら、申し訳なさそうにルッツに謝罪した。
/94ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加