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「箱に・・・・・」
「ウン?」
「閉じ込められた・・・から」
「・・・え?」
静の顔を見つめて 次の言葉を無表情で口にしだした
「お仕置きで。どれくらいか、わかんない・・・箱に閉じ込められた。お腹がすいて・・・トイレもいけなくて・・・」
静の歩を撫でていた手が止まり顔が強張る。そして、ポロリと涙が落ちた
「あっ・・・・ごめっ・・・・・・泣かせたかった訳じゃ・・・」
ハッとして歩が体を起こし困った顔をした
静が頭をブンブン振って歩の頭を抱きしめた。歩が 固まった
「何・・・て事・・・」
「し、ずかさん?」
ただ、ただ、抱きしめられる
静に時間が流れるようだった
「ごめん」
目を赤くした静が膝を抱えて顔を伏せて呟く
「いや、えっと・・・僕」
「寒いね・・・ここ?」
ニッコリと赤い目だが歩に微笑みかけた笑顔が綺麗で歩が見とれる
「歩君?」
「あっ・・・えっと・・・君って気持ち悪い」
「え?」
「さっき、呼んだ。歩、がいい」
「あ、あぁ・・・うん」
歩が四つん這いで移動してきて静の背中に背中をつけて膝を抱えて座る
「何処の地下かなぁ・・・」
「え、あ、地下・・・そっか。・・・森っぽかった」
「え?」
「土の匂いと凄く木の匂いとか花の匂いしたんだよ。」
「んー・・・そっか。」
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