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窓もない
灯りも薄暗い
そんな中時間もわからぬが、食事が運ばれてくる
口もきかぬ男が扉をあけ置いていくだけの食事
そいつらは二人が眠りについていると やってきた
一人は静の側に立ち、一人が歩に手をかけると パッと歩が目を開けて身を捩ろうとして肩を抑えられた。
「大人しくしてた方が いい事 わからない?」
カタコトの言葉
それでも歩がバタバタすると荒々しく服に手をかけられる
その声と音で静も目を覚ます。側に立った男が静に手をかけて話しかける
「アンタ、わかるよね?痛いのがいいか」
ハッと振り返り男を見上げると男が冷たい目で見下ろしていた。男と見詰め合う事 どれくらいか・・・
「ぎゃぁぁぁぁ」
断末魔のような声が響き ハッと振り返ると 歩のがペッと何やら吐き出した。その歩の顔は血塗れで静は声も出ずに動けなかった。次の瞬間、静の後ろにいたはずの男が歩を蹴り上げていた。
通路にいた男が すぐに入ってきて男を止める。
歩に襲い掛かっていた男は転がった歩の横で横っ面を押さえ呻き声をあげていた。通路から 他の男が入ってきて男を連れて行く。静は歩に視線を戻して その側にある血溜まりを見てから口を押さえて えづく
「うっ・・・」
歩が咳き込みながら、自分を蹴り上げてきて 今尚 何か叫びながらも押さえ込まれた男を見上げ ニヤリと笑った
何か、男達は自分達の母国語で わめいていた。そうして、男が手に注射器を持って入って来た
そして、男に抑えられる歩
静は、何するんだ。と言いたくとも もう体も口さえ動かなかった。
歩が何か言って 暴れている
助けなきゃ、そう思ったところで言う事をきかない体
そう思っていると 歩を蹴り上げた男が静の腕を取り引っ張って立ち上がらせられた
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