移動

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「うあっ」 通路に出ると大きな麻袋に入れられ まるで荷物のように担ぎ上げられた静 一人 何処かへ運ばれ放置された 静かになったところで動いてみたものの袋は口が縛ってあるらしく出れそうには無かった 自分の呼吸が袋で木霊するようで 不安が大きくなる 酷い不安の中 時間だけが過ぎて行く ドサリという音に呻き声が聞こえた 「歩?」 音の聞こえた方に転がると何かに当る。それは、歩だったらしい 「くっ・・・・」 「歩????」 「んなっ」 「?」 「寄るなっ・・・・」 酷く息が荒いのが わかる 「ど、したの?」 再び不安が襲い掛かる 「い・・・から!!」 酷く心臓の音が聞こえるが、何も自分は出来ない 大人しくしておく事しか出来ないのだ 歩の荒い息に、時に吐息 静の胸がざわめく 「ふっ・・・・あぁ・・・」 気が付くと くすくすと笑う声が聞こえてた 「辛そうね?」 「・・・うっ・・・さい・・・ぅぅぅ」
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