集う

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ダブルのスーツを着た男が優しげに微笑む。その姿は っぽいのだが顔付きは警戒するような感じでもなかった 「はい?」 静が返事を返す 「良かった、探していたのですよ。連れて来て欲しいと」 「え?誰ですか?」 「まぁ、言っても わからないかと。大丈夫ですよ、ついてきてくれます?」 まぁ、この状況で 何かが起こるとも考えれないけど。なんて静は自分達が何気に向かってたエントランスの方を見れば そこも やはり少し異様で、今だ入口辺りでは出迎える人間と出迎えられる人間で それまた異様な状態であった。 「はぁ・・・」 静が返事をすると後ろから歩が静の上着をヒョイヒョイと引っ張った。 ん?と静が振り返り視線を落とすと不安げな歩の顔がある 小さく頭を横に振る歩 男は、それに気付き ニッコリと歩に話しかけてきた 「この状態ですよ?変な事が起こるとでも?それに、上の部屋に ちょっと行くだけです。少し気分が優れませんで上で休んでいるんですよ」 「大丈夫だよ、行ってみよ?」 不安げな歩も連れ結局目の前のエレベーターに乗り込んだ 途中の階で降り、奥へと移動し何故か他のエレベーターで下るので二人は顔を見合わせた 「最上階なんですけど・・・最上階は専用のエレベーターなんですよ」 歩は、やっと ホッとした顔をした。それを静が ジッと見つめている事に気付いて ボソボソと歩きながら口を開いた 「最上階は、結構な しっかりした人間しか入れない部屋だよ」 「ふーん、凄いね、そんな事知ってるんだ?」 「ん、当たり前じゃない。ここ豊心会のモノだよ?」 ちょっと感心して歩を見ていたら その直通エレベーターに乗り込んだ。 男が口を開く 「歩さんは、噂通りのようですねぇ」 のんびりとした その声に歩は反応するでもなく、どうも耳が詰まったらしく鼻を抓んで息抜きをしているらしくて静が プッと笑った。歩に ムッとした顔をされ 小さくゴメン。と謝り黙った
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