WHITE DESTINY

2/2

33人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
全てを風にゆだねて巡る   行く先は風も知らない場所     白い羽が風に吹かれて通り過ぎていった わたしを置いて ガラスを隔てた向こう側   自由がどんなものかわたしは知らなかった なのにその羽は自由に見えた   こぶしに力を込めて降り下ろせば壊せる壁なのに その壁に隔てられたわたしの世界は虚しい風が吹く   全てを風に 誰かに あなたに まかせれば良かったのだろうか… 例えばあの時   そうしていたら今わたしは向こう側だったのだろうか   一人で頑張らなくてもいいのかもしれない   まかせてもいいのかもしれない   わたしの知らないものをあの人は知っているかもしれない   こぶしを降り下ろしてみようか   風に乗ってみようか     羽のように風にまかせてたどりついたその場所がたとえ答えでなくても そこはわたし一人では行けなかった場所   行き場を選べないなら生き方を選べばいい   きっとそれも自由なのであろう わたしの知らなかった形の…
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加