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全てを風にゆだねて巡る
行く先は風も知らない場所
白い羽が風に吹かれて通り過ぎていった
わたしを置いて
ガラスを隔てた向こう側
自由がどんなものかわたしは知らなかった
なのにその羽は自由に見えた
こぶしに力を込めて降り下ろせば壊せる壁なのに
その壁に隔てられたわたしの世界は虚しい風が吹く
全てを風に
誰かに
あなたに
まかせれば良かったのだろうか…
例えばあの時
そうしていたら今わたしは向こう側だったのだろうか
一人で頑張らなくてもいいのかもしれない
まかせてもいいのかもしれない
わたしの知らないものをあの人は知っているかもしれない
こぶしを降り下ろしてみようか
風に乗ってみようか
羽のように風にまかせてたどりついたその場所がたとえ答えでなくても
そこはわたし一人では行けなかった場所
行き場を選べないなら生き方を選べばいい
きっとそれも自由なのであろう
わたしの知らなかった形の…
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