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試合はすぐに始まって、第一回戦は徹が率いる一組のチームが勝利した。
次は僕たちのチームの番だ。すれ違い様に、頑張れよ。と徹に声を掛けられた。
怪我しないように頑張ろ。と気合いを入れたまでは良かった。
………最悪だ。
寄りによってなぜ亮太のチームと戦うハメになるのだろうか。
しかも亮太のチームは実力者揃いだ。バスケ部の子が何人もいる。
審判の笛が鳴り、試合は始まったが僕は動けない。予想以上に試合の展開が早いのだ。速すぎてボールにすらついていけない僕。
オロオロとゴール前をうろついていると、
「っ佐藤」
突然林くんに名前を呼ばれ振り向けば目の前にはボールが…!!
間一髪のとこでなんとかキャッチしたのはいいものの…
「……っ」
目の前には亮太が。
一瞬の隙をとられボールを奪われてしまい、さらにゴールまで決められてしまった。
亮太の軽やかな動きと、人を魅了するようなゴールに気をとられていた僕は、試合が再開していたことに気づいていなかった。
誰かの叫び声と共にボールが頭を直撃し、しかも倒れ込む瞬間に足を捻ってしまったのだ。
「大丈夫か!?」
みんなが慌てて寄ってくる。注目されていることになんだか恥ずかしさを感じ、慌てて立ち上がろうとするが、
「痛っ…」
捻った足がすごく痛い。思わず顔をしかめていると…
ふわり。
「先生、俺、佐藤を保健室連れて行きます。」
目の前には亮太の顔があった。
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