第二章

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試合はすぐに始まって、第一回戦は徹が率いる一組のチームが勝利した。 次は僕たちのチームの番だ。すれ違い様に、頑張れよ。と徹に声を掛けられた。 怪我しないように頑張ろ。と気合いを入れたまでは良かった。 ………最悪だ。 寄りによってなぜ亮太のチームと戦うハメになるのだろうか。 しかも亮太のチームは実力者揃いだ。バスケ部の子が何人もいる。 審判の笛が鳴り、試合は始まったが僕は動けない。予想以上に試合の展開が早いのだ。速すぎてボールにすらついていけない僕。 オロオロとゴール前をうろついていると、 「っ佐藤」 突然林くんに名前を呼ばれ振り向けば目の前にはボールが…!! 間一髪のとこでなんとかキャッチしたのはいいものの… 「……っ」 目の前には亮太が。 一瞬の隙をとられボールを奪われてしまい、さらにゴールまで決められてしまった。 亮太の軽やかな動きと、人を魅了するようなゴールに気をとられていた僕は、試合が再開していたことに気づいていなかった。 誰かの叫び声と共にボールが頭を直撃し、しかも倒れ込む瞬間に足を捻ってしまったのだ。 「大丈夫か!?」 みんなが慌てて寄ってくる。注目されていることになんだか恥ずかしさを感じ、慌てて立ち上がろうとするが、 「痛っ…」 捻った足がすごく痛い。思わず顔をしかめていると… ふわり。 「先生、俺、佐藤を保健室連れて行きます。」 目の前には亮太の顔があった。
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