第二章

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「…ごめん。」 「謝ることじゃない。」 先生不在の保健室で、亮太に手当てをしてもらいながら謝った。 「でもせっかくのバスケ…」 亮太不在にしたら二組の人が困るだろうに。 「気にすんなって。それよりも葵の方が心配だったし。」 うっ…。その笑顔はやっぱり反則だ。 顔が真っ赤になったことを知られたくなくて、思わず亮太の胸の中に顔を埋めた。 「…てゆーか、葵さぁ、学校じゃ俺に冷たいよね。」 ぽんぽんと僕の頭を軽く叩きながら、亮太が呟いた。 「ん、だって亮太に迷惑かけたくないし。」 女子にモテる亮太の恋人が男だなんて知られたら皆から軽蔑されるんじゃないかと思うと…すごく不安。 亮太の学校生活を壊すような真似だけはしたくない。 「迷惑?そんなわけないじゃん。俺は葵が一番なんだから。」 チュッと唇に軽くキスをされる。もっと欲しくて唇を近付けていると… ガラガラガラ… 「はーい、保健室でイチャイチャしないでね。」 先生が帰ってきました。
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