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黒縁眼鏡でボサボサの黒髪に、もやしのようにヒョロヒョロとした体格で、一見不健康に見えるがこれでも一応保健室の先生なのだ。
「…体育で怪我をしたので手当てをしていただけです。」
邪魔されたことが気に食わなかったのか、若干不機嫌気味に告げた亮太。
僕は恥ずかしくて俯いていた。
「ふ~ん、体育でするような怪我で唇にキスをする手当てなんかあったかなぁ。」
先生は悪戯っ子のように微笑み、僕らをジッと見つめた。
「…これはあくまでもおまじないですよ。」
睨み合う亮太と先生。
なんだか居心地が悪くて僕は慌てて弁解する。
「あ、えと、足を捻挫したんで手当てしてもらって…その…」
「もう分かったから。亮太くんは体育の授業に戻って、葵くんは次の授業まで此処にいなさい。」
亮太は渋々保健室から出て行ったが、僕は顔を真っ赤にしたまま俯いて固まってしまった。
「ふふ、安心して。僕は偏見とかないからね。とゆーかぶっちゃけちゃうけど、君の担任の先生と付き合ってるしね、僕。」
…え、ぇええ??!!
それはつまりその…
とゆーか
「ぶっちゃけ過ぎじゃないですかっ!!」
「だよねぇーあはは」
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