第二章

4/10
前へ
/15ページ
次へ
更衣室にはすでに人はいなく、僕も徹も急いで着替えを済ませ体育館へと向かえば、皆まだお喋りをしていた。 「ふぅ~間に合ったぜ」 徹は既に汗をかいている。僕も乱れた呼吸を整えながら、辺りを見回した。 ……いた。 女の子に囲まれ、僕の大好きな笑顔を振る舞っている亮太が。 しかもその一番近くには真紀ちゃんがいた。 「…葵、向こう行こう。前原たちがいるし。」 僕の耐えられない表情に気付いたのか、徹は有無を言わせない口調でそう告げ、僕の腕を引っ張り前原くんたちのもとへと向かう。 その瞬間、ほんの一瞬だけど亮太と目があってしまった僕は慌てて視線をズラした。 なぜだろう? 恋人同士なのに、 こんなに切ない思いをしなくてはいけないのは… なぜなんだろう?
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加