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俺は高木泰介(たかぎ たいすけ)。
俺の横で大型扇風機を抱えているのが馬場剛(ばば つよし)。
そして、スノーボード用のゴーグルを額に付けて、インスタントカメラを構えているのが山中久(やまなかひさし)だ。
放課後、多くの生徒たちが部活動に励んでいる中、俺たち三人は人気のなくなった渡り廊下で静かに身をひそめていた。
「剛。ちゃんとコンセントつないであるか?」
「バッチリだぜっ、久。」
「よしゃ。」
「……なぁ、久、本当にやるのかよ。」
俺がそう言うと久は握りしめた拳を胸に当てながら真剣な顔で言った。
「今ごろ何言ってんだ。あったりまえだろ?」
「だってよぉ……。どーせ、今回も失敗するぜ?」
「いーや、しないね!!今回のプランは完璧だよ。」
「そうかぁ?」
「大丈夫だって。俺を信じろよ。」
久は笑顔で俺の肩に手を置いた。
「お……おう。」
その言葉言うの何回目だよ…(泣)
俺はその手をどかし、心の中でつぶやいた。
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