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3日後、俺は自分の生まれ育った街トウキョーに帰って来た。
街の惨劇に俺は愕然とした。
街は所々が崩壊し、でっかい穴が空き、血ノリの跡が黒ずんで何かの模様を描いているみたいだった。
おいおい、何だこりゃ?
ひでぇ……シャレになってないな。
まぁ帰りの道中、何処の街も同じ様な光景だったがな。
こりゃぁ、もしかすっと俺の家も無いかな?
そう思いながら俺は家路を急いだ。
あった……
暫く走ると、俺の家が見えてきた。
在るじゃん、ラッキィー
家に着くと、俺はバイクのエンジンを止め、家の中に入った。
ただいまぁ……つっても誰も居ない。
俺の両親、兄弟は、俺が中学の時に事故で死んじまった。
天涯孤独ってヤツだ。
家に入ると俺は冷蔵庫に入った缶ビールをプシュッと開け、一気に半分ほどを飲みテレビを点けた。
コマーシャルが流れてると突然、あの組織の奴が映る。
相変わらず後ろ向きで、刺青だけが映っている。
「我々は金剛曼荼羅、通称¨マンダラ¨と申します。」
「マンダラは仲間を募集しております。」
「一般の皆様もマンダラに入り、刺青を施し、未知なる能力を手に入れてみませんか?」
明るく話していた男の声が、ゾクッとするほどの低く冷徹なトーンに変わる。
「しかし、刃向かう者には死を与えます。」
胸クソ悪りぃ……
俺はテレビ消し、残りの缶ビールを飲み干した。
しかし、あの刺青は薬師如来か?
あれはカッコイイな……
刺青だけは格好良いと相変わらず思ってしまう。
俺はそんな自分が可笑しくなり、ニヤリと笑った。
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