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階段を上りきった先に人がいた
窓から外を見ているが、先程のリリカのように感慨に耽っているワケではないようだ
彼女の名前は『雨宮 恵』
スラッと伸びた手足、癖っ気の無い長い黒髪は大和撫子という言葉が良く似合う
しかし、顔には無愛想な無表情が張り付いており、無骨なメガネが神経質な印象を与えている
「こんにちは、リリカ」
そんな彼女は、リリカに気付くと表情を着けるワケでもなく
ただ声をかけた
「あっ、恵先輩!」
リリカは恵と呼んだ彼女に子犬のように駆け寄った
「鞄を持ってるってコトは、まだ部室に行ってないんですか?」
「えぇ、野暮用が今終わったばかりでしてね」
そう言って恵は自分の肩を揉む
「荷物持ちましょーか?」
疲れたような恵を気遣って提案してみた
「いえ、大丈夫です。行きましょう」
しかしそんな気遣いは無用なようだ
二人は肩を並べると歩き出した
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