プロローグ

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吹奏楽の音が響く廊下を 他愛ない会話をしながら進む 「そういえば、私がオススメした店には行ってくれましたか?」 思い出したようにリリカが喋りかけた 「……アナタの描いた地図どうりに行ったら、樹海に着いたんですが」 恵は困ったような顔をして返事をする 「えぇー!おかしいなぁ?ちゃんと斎藤さん家の角曲がりました?」 「斎藤さんが五件連続であったんですが…… 第一、目印として住宅を描かないでください」 やがて一目で解るほど手作りな看板が見えてきた 豪快に筆で「学園応援部!!」と書かれており、丁寧な文字で「お悩み、ご相談受け付けます」と付け足されている 端っこに、大きな×印で消されているが「ポロリもあるよ」などとも書かれている 「秋人も裕司も来てたらいいけど」 そう呟いて、リリカは扉に手をかけた
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